琵琶湖派

カテゴリ:鳥類 > ヒタキ科

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ハチジョウツグミ第一回冬羽 18/02/18 京都市
一昨年京都御苑で越冬したハチジョウツグミ。2018年も滋賀県内でも複数観察しており、二条城など近辺での越冬数も多かったようである。
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同一個体
昨日投稿した今季の個体に比べて大雨覆のモルトコントラストは見辛いが、外側5枚は内側よりもやや短く色あせて見えることからも幼羽と思われる。
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同一個体
一枚目右は亜種ツグミ。尾羽はかなり摩耗しており、細く先が尖っている。肩羽や胸の赤みはやや弱く鮮やかさに若干欠ける。かなり赤みの強い個体からそうでない個体まで幅広くこれらは性差なのか個体差なのか。スベンソンのガイドでは中間タイプが多く性の識別は難しいと記載されている。

ハチジョウツグミA個体 (1)-cropハチジョウツグミB個体 (2)
ハチジョウツグミD個体
ハチジョウツグミC個体 (2)-crop
ハチジョウツグミ4個体 京都市 (上からA、B、C、D個体)
京都市内北部も公園内で越冬したハチジョウツグミ4個体。当地を初めとして京都市街地の公園内ではほぼ毎シーズン観察される。今季は同一地で4個体越冬した。当地では昨年も1羽確認されているが、冬の間越冬したのかは不明である。
スベンソンの「識別ガイド」によればハチジョウツグミの幼羽後の換羽は部分的に行われ、冬季の年齢識別ができる。尾羽はやや細く、成鳥よりも尖っている傾向にある。また、摩耗が見られ外側大雨覆の一部は未換羽で換羽後の羽毛よりも先端が白色かつ短めの幼羽が残る。
ハチジョウツグミA個体IMG_7847
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A個体 第一回冬羽 1枚目は20/02/27、2枚目以降は03/11
大雨覆外側5枚は羽縁が淡色で摩耗が強いため幼羽である。三列風切羽や尾羽も摩耗が進み先が細くとがっている。
ハチジョウツグミA個体 (2)-crop
同A個体
眉斑はやや明瞭で薄い橙色。胸から上腹部、腰、下尾筒も鮮やかな橙色懸っている。
足は黄土色~灰色っぽい印象を受けた。嘴の黄色部分は上嘴に侵入している。
ハチジョウツグミ秋A個体
IMG_1095-cropハチジョウツグミB個体-cropIMG_1130-crop-crop
B個体 第一回冬羽 1枚目19/12/25、2枚目3枚目は20/03/06
比較的見辛く警戒心が強かったB個体。この個体は秋から確認されており、当地で最も最初に見られた個体でもある。A個体同様外側大雨覆5枚は幼羽と思われる。冬に入りほぼ観察できなかったため比較が難しいが、秋に比べやはり尾羽などはより強く摩耗している。
A個体よりも下尾筒や腰などの橙色はやや弱い。顎線はやや強い印象であるのに対し眉斑は薄目である。胸の橙色は比較的鮮やかであるが、一見した印象はやや地味な個体に見える。この辺りの印象は顎線とのコントラストや眉斑の弱さにより形成されているだろうか。
ハチジョウツグミD個体
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C個体 第一回冬羽 20/02/27
最も観察しやすく個体識別が簡単だった個体。大雨覆外側7枚は幼羽である。同齢個体においては最も大雨覆に幼羽を残している。
肩羽や胸部、眉斑、腰、下尾筒など鮮やかな橙色でかなり目立つ。非常に綺麗な個体だった。嘴の黄色部は上嘴には及ばず下嘴にとどまる。
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同C個体
胸の鮮やかな橙色が非常に綺麗である。顎線は不明瞭な2線が喉のコントラストを形成している。
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ハチジョウツグミC個体
D個体 成鳥 19/12/25、20/02/27
4個体のうち唯一の成鳥。この個体もB個体と同じく秋から観察されている。観察難度が最も高く警戒心も非常に強い。
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同D個体
先の3個体とは異なり大雨覆にモルトコントラストは見られず成鳥である。鮮やかな橙色と摩耗の少ない羽衣が特徴的で、三列のコントラストも鮮やかである。嘴の黄色部も幅広く上嘴にまで到達する。
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大雨覆比較
換羽が進まなければD個体、幼羽の残存の多いC個体は大雨覆のモルトコントラストによって同時期であれば識別できると言えるだろう。
顔
顔比較
嘴のパターンや眉斑のコントラスト、顎線の出具合は個体により異なっている。
背中
上面比較
同じ姿勢のものを選び出せず、やや角度が異なっているが、D個体の成鳥と比べて第一回冬羽個体は風切羽や尾羽の摩耗が強く特に尾羽は細身で尖っている傾向にある。こうしてみると腰の色合いや肩羽のコントラストなども個体により差があることがわかりやすい。
ハチジョウツグミに関してはこれらの4個体以外にも滋賀京都で何個体か観察している為、また後日アップしていきたいと思う。

3月中ごろまでは少なくとも越冬していたようである。今冬の京都市街はヒレンジャクも多く小鳥類が楽しめた年度だったのではないだろうか。

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エゾビタキ第一回冬羽 18/12/18(1,2枚目),19/02/20(3~5枚目) 京都市
18年度冬季に渡って京都市街地で越冬したエゾビタキ第一回冬羽。この種の越冬個体は初めて観察した。国内では越冬地、繁殖地への移動の際に観察できる旅鳥でもある。
18年12月上旬より観察されているようで、翌年19年4月上旬までほぼ同じ位置で観察された。
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18/12/18
越冬の情報を入手したから初めて観察した日である。羽衣は比較的フレッシュな印象で摩耗は少ない。三列風切羽の淡色の縁取りや大雨覆の白色部も幅広い。尾羽は丸みを帯びているようであるが、羽先はやや尖り気味である。見えにくい写真であるものの腰に淡色斑をもった幼羽と思われる羽毛があり当年生まれの個体であると推測できる。
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19/02/20
1枚目、赤矢印の部分は18年12月18日にも確認できた腰の白斑である。2か月を経てかなり摩耗し白斑を存在を潜め始めた。大雨覆や三列も摩耗が進み羽縁は狭くなっている。特に大雨覆の摩耗は著しい。他種でも同様であるが、越冬期間を通して観察すると羽毛が摩耗していく様子がよくわかる。
概ね100m圏内の同じ場所で常に観察していた。行動はそこそこ活発でしきりに虫を空中で捕食する姿が観察できた。時折シに近い音でチッチッという細い地なきを出しており、越冬期間中常に声を聞くことができた。

この動画の日付の通り2月26日から囀り始めた。かなり聞こえにくいが、複雑なぐぜりが入っている。手ぶれ補正の無いレンズで撮影している為、手振れはかなりひどい。

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